舞台「ダディ」メモ

東京グローブ座で「ダディ」を見た。

 

www.daddy-stage.jp

 

〈あらすじ〉

若いアフリカ系アメリカ人のアーティストであるフランクリン(中山優馬)は、LAに住むセレブの初老アートコレクターであるアンドレ大場泰正)に出会い、その魅力に抗えず、二人は熱い関係を深めていく。フランクリンの友人で駆け出しの俳優、マックス(原嘉孝)やインフルエンサーのベラミー(前島亜美)、そしてフランクリンの才能を見出すアート・ディーラーのアレッシア(長野里美)は二人の関係に関して黙認するが、クリスチャンでこうるさいフランクリンの母親、ゾラ(神野三鈴)は、自分の息子が危険にさらされていると疑いを持つ。そして、彼女は彼ら二人の関係を崩そうとアンドレを追い詰めていくのだが……。

(HPより抜粋)

 

 

驚くのは舞台セットで、なんと舞台上にプールが出現している。東京グローブ座にプール!なお登場人物は全員このプールに入ったり飛び込んだりしていて、前列だと飛沫もかかるらしい。飾りではなく全編通してフル活用されていた。このプールを含めた、アンドレの家の庭(ベランダ?)が主な舞台である。またはその奥のガラス窓で仕切られたリビングも使われる。奥の部屋で発言するとガラスに阻まれて聞き取りづらかったのが惜しかった…まあ基本的に外で話すからあまり問題はないのだけど。

 

ともかくこの舞台は、プールを実際に作るほど水に重要な意味を持たせている。

フランクリンの母で敬虔なキリスト教信者であるゾラが、最後フランクリンをプールに沈めた上で聖書を読みだそうとするのは洗礼の儀式であったのだろう。他にも、ゾラはアンドレのことを「洪水物語」に登場するおじいさんの名で呼ぶなど、キリスト教と水の関係を思わせるところは多い。

 

このように、キリスト教だけでなくアートのことやアフリカ系アメリカ人としての生き方のことなど、前提知識がないと難しかった…という印象である。全然飲み込め切れていない…。

影のシンガーのこととか、フランクリンの作る作品のこととか、いろんな角度から語れる作品だと感じた。パンフレットを買ったら作中に使用されている音楽についての解説が載ってて面白かった。